こんにちは、アロハ保育園非公式キャラの「アロ」で~す!よろしくね。
このコラムではアロハ保育士が選んだ絵本を紹介していくよ。
第一回は アロハなかやま保育園のM先生です。
M先生はどんな個性の子どもたちでも全身で受け止めてくれる、ピンクが好きなとっても優しい先生だよ!
M先生が選んでくれたのは、レオ=レオニの「フレデリック」です。よろしくおねがいしま~す!
アロハなかやま保育園のMです。よろしくお願いします!
それでは絵本「フレデリック」について教えてください。
はい!野ねずみのフレデリックが、仲間たちと遊んでいるところからおはなしは始まります。
みんなで冬を越すために食料などをいろいろ集め始めるんだけど、フレデリックは何もせずただじっとして待っているだけ。
そして冬が来たときにみんなが集めたものを食べていたんだけれど、だんだん食料とかが無くなっていって…。はじめのうちはみんなで賑やかに元気いっぱいだったけれど、食べ物がなくなって周りがみんな元気がなくなってきます。
フレデリックは何もしていなかった時間に、いろんな気持ちの面を育てるためのもの・自然のものをいろいろ吸収していました。そして食べ物が無くなり心が貧しくなっていった仲間たちに、フレデリックが吸収してたものをみんなに出していって、また気持ちが明るくなってくるっていう物語です。
フレデリックはのねずみなんだね。
子どもたちに読み聞かせすると、どんな反応があるの?
おとなが感じる部分と子どもが感じる部分が全然違いますね。
内容的にはちょっと難しいかなっていう感じなんですけど、本当に伝えたいところは大きくなってからわかってきます。
でも小さいうちから読んでも絵のかわいさを目で見て楽しんだり、どこがかわいいとかお話ししたり。反応もすごく良いですし、ことばの言い回しも楽しめます。
優しい色合いの紙が、切ったりちぎったりして貼られてるのがかわいいね!表紙でお花を持ってるフレデリックがかわいい~
読み聞かせするときのポイントはあるの?
抑揚は控えめにして、落ち着いたトーンでお話しします。
絵を見て欲しいので、めくるペースもゆっくりと。
フレデリックのいろんな表情に、子どもたちが注目しているのが分かりますよ。
ゆっくりめくってくれると、隅から隅まで見られるなぁ。
この絵本を知ったのいつなの?
保育士になってからです。
スイミーっていう絵本があって、小学生のときからレオレオニのことは知っていました。
保育士として働き始めた頃、先輩の先生の読み聞かせをしている姿を見て、絵本ってすごい力があるんだなぁと何度も感動していました。
そこから絵本を集めたいなと思ったんだけど何を基準に集めたらいいのかなとなって、有名なスイミーの絵本を思い出して、そこからレオレオニってどういう本があるんだろうと何冊か読んでみたんです。
そしたらこのキャラクターにすごくハマってしまったんですね、かわいくて。お話もちょっとジーンとくるというか。子供たちに伝えたいことが入ってるなと思ったんです。
スイミーの作者さんの絵本なんだね!聞いたことがある~
M先生の好きなキャラクターや、好きなページはあるの?
ひとつだけではないんですけど…フレデリックが他の仲間たちに得意げに話してるところ!
おはなしのところ!みんな後ろを向いて聞きいっているところだね~
食べることってとっても大事じゃないですか。だけど、ここの保育園で育ってほしいところはフレデリックが大事にした、表現した部分。心の部分。しっかりと想像、イメージする力。
フレデリックは、冬にこうなることを想像して、お話を覚えたりに景色を覚えたりしたのかなぁ。
そこはちょっとね、わかんないかな。でもここの詩に私はすごくジーンとしました。詩人みたいじゃないかっていうところ。
子どもの発見する力、「そんなこと言ってくるんだ」っていう気付き、そういうのってこっちが教えることじゃなくて、自分たちが吸収してきたものを発信してくれるところに私達も子供たちから力をもらえる。
私達が何もしなくても育ってるんだって思うところ。着替えとかそういうのは目に見える部分だけど、心の育ちって目に見える部分じゃないので、子どもたちと同じだなって思いました。
ぼくもフレデリックみたいに詩人になれるかなぁ?
M先生、ありがとうござました!
絵本情報
フレデリック
ちょっと かわった のねずみの はなし
作:レオ=レオニ
訳:谷川俊太郎
出版社:好学社
出版年:1969年